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むち打ちとは


頚椎捻挫に代表される目に見えにくい後遺症を立証するためには、傷病についてよく知ることも大切です。

以下は、むち打ち損傷の基本的な知識です。
@むち打ち損傷と後遺障害 F検査方法について
Aむち打ち損傷の定義について G治療方法について 
B頚腰部捻挫の周辺疾患 H頚部解剖図 
C分類について  
D症状 急性期 (受傷直後1週間〜1ヵ月位)  
E症状 慢性期 (受傷直後〜3ヵ月以上)  


TOPむち打ちむち打ちと後遺障害

むち打ち損傷と後遺障害


後遺障害等級認定におけるむち打ち損傷の立場と問題点です。

等級について
むち打ち損傷(頚椎捻挫、外傷性頚部症候群等)は、自賠責保険の後遺障害等級認定において基本的に、14級9号「局部に神経症状を残すもの」または12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」として審査されます。

※頚腰部捻挫の周辺疾患(頚椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニア、バレーリュー症候群、肩関節周囲炎、脊柱管狭窄症、頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)、胸郭出口症候群、脊髄中心性損傷、脳脊髄液減少症)についてはこちらを参照下さい。
 
むち打ち損傷の患者の方が訴える症状の例は主として頚部痛、項部痛、シビレ感、脱力感など、また、めまい、頭痛、耳鳴り、易疲労感、視力低下、複視など様々な自覚症状がありますが、これら各症状についてもひっくるめて末梢神経障害として「神経系統の機能障害・精神の障害のうち、局部の神経系統の障害」として取り扱われることになります。

12級と14級
12級と14級の違いですが、自賠責保険実務では12級は「神経系統の障害の存在が医学的、他覚的に証明できるもの」とされ、14級は「神経系統の障害の存在が医学的に説明可能なもの」あるいは「医学的には証明できなくとも自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるもの」という考え方が採用されているといわれています。



自覚
症状

+ 医学的証明 12級
+ 医学的説明 14級


さて、一言で他覚的所見といっても、椎間板の膨隆や脊柱管の狭窄等の身体の形状的異常からスパーリングテストなどの神経学的異常所見など様々あります。(→むち打ち損傷の主な検査へ

また、これらの所見で異常があればそれだけで有効な他覚的所見となるかというと、自賠責保険の実務では必ずしもそういうわけではありません

例えば椎間板の膨隆(ヘルニア)などの画像所見は通常、加齢によって生じるものとされているため、単にMRIでヘルニアがあったというだけでは等級は認定されません。画像所見、神経学的検査、その他の検査や治療状況等を総合しての医学的な判断が必要になるということです。

そのため、ある程度の異常所見がある場合でも、被害者がその所見からは推定できないような広範な身体部位の症状を訴える場合などは、かえって医学的な説明がつかないと判断されてしまうこともあるので、注意が必要です。


むち打ちの後遺障害と問題点


むち打ち損傷の後遺障害等級認定の大きな問題点として(これは、むち打ち以外の交通事故の後遺症にもいえることなのですが)現在、事故で受傷された方の症状について、必ずしも適正な等級認定がなされているわけではないという現実があります。

認定結果に対する多くの疑問はそのまま納得の出来ない解決につながっていくことになってしまいます。
 
なぜ適正な等級の認定を受けることがそんなにも難しいことなのかというと、主に以下の3つの理由があります。

@調査事務所の書類審査が厳しいこと
A医師の仕事は損害賠償のための書類作成ではないこと
B資料を提出する相手保険会社との利害関係の不一致があること


@調査事務所の書類審査について
適正な等級認定を困難にしている理由の一つに、認定機関の行う厳しい判定というものがあります。

認定機関はそれぞれの後遺障害診断書等の資料を見て、実施されていない検査や、足りない記載についてわざわざ指摘したりはしてきません。迅速な書類審査という名のもとに、診断書に記載されていないことには全て異常なしという厳しい判断をしてしまうからです。





A医師の仕事について
認定されるかどうかのカギを握る、最も重要な書類である後遺障害診断書ですが、これを作成できるのは診断権を持つ医師のみとなっています。

ここまでは良いのですが、問題は医師の仕事というのはケガを治すことであり、損害賠償の為の資料の作成ではないということなのです。


医師の仕事とは
治療をすることです 損害賠償の書類作成では
ありません
 ○   ×

医師は後遺障害診断書というものにあまり詳しくない場合が多く、基本的に医師によって後遺障害診断時の検査、診断書の記載にはバラつきがあります。

医師が後遺障害診断書に詳しくないことに加え、むち打ち損傷については医学的にまだまだ解明されていないことが多く、医療機関によって検査の種類が不定ですので、実務上等級認定の為に重要な検査を実施せずに後遺障害診断書を作成することも多々あるのです。

例えば実際に、頚椎X線のみで後遺症を評価する施設もあるようですが、それだけでは書類審査のみによる現在の等級認定システムにおいてはほとんど意味をなしていませんが、そのことに気づかなければどんなに自覚症状が残っていても、結果は当然非該当となってしまいます。


B利害関係の不一致について
通常被害者の方の多くが後遺障害の申請を、相手保険会社に全て任せてしまう事前認定というしくみを、無意識に利用させられていることにも問題があります。

保険会社というのは営利企業ですので、支出となる保険金の大幅な増大につながる後遺障害の等級認定は、出来れば避けたいと考えているかもしれません。

被害者と保険会社の利害関係は一致していません。保険会社は事前認定時、保険会社としての意見書を添付しますが、申請する書類についてわざわざ認定の確率を高めるように作成してくれるでしょうか?(このような矛盾を解消するためには、被害者請求を活用することをお勧めします。)





このような制度の中、現実に症状は残っているのに立証不足の資料を提出してしまい、結果、非該当や現実の症状よりも低い等級となり、そういうものだとあきらめている人が相当数いるだろうと考えられます。

しかし、あきらめるのはまだ早いかもしれません。非該当だった方や、予想より低い等級だった方にも、異議申立という救済制度があります。納得出来ない結果だった方は是非活用してみてはいかがでしょうか。

認定結果に納得できなければ異議申立

納得できない

資料の見直し 新たな資料で立証


むち打ち損傷をはじめとした交通事故の後遺障害等級認定は、実際に症状が後遺障害の分類に値するものであったとしても、的確な申請をしなければ認定されることはありません。そして現在上記のような理由から、的確な申請自体があまり行われていません。

多くの方々は普通、後遺障害等級認定制度は交通事故で後遺症が残った場合、当然に自分を守ってくれる制度であるとの認識だと思いますが、日本の法律には「権利の上に眠るものは保護に値しない。」という考え方もあるくらいです。

現実は、制度が守ってくれるのではなく、自分自身が制度を活用して、自分の権利を守っていかなければならない、というふうに考えた方が正確かもしれません。



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