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自賠責保険 

自賠責保険


自賠責保険とは「交通事故の被害者が最低限の補償を受けられるように」と国が始めた対人保険制度です(物損、自分自身のケガには適用されません)。

公道を走る車、バイクには加入が義務づけられていて、別名強制保険と呼ばれます。



3分で理解する自賠責保険の要点6項目


1. 請求先は相手が加入している自賠責保険の窓口です。
2. 請求は人身部分のみで物損には使えません。 
3.  支払いは限度額の範囲内で、自賠責保険の基準に基づいて行われます。
4. 自賠責保険では事故でケガをした方を被害者と呼びます。

双方がケガをした場合、双方が被害者であり、双方が加害者です。 
5. 被害者の過失が7割以上無い場合、過失相殺(減額)されません。
6.
事故時に同乗していた他人は、運転者の加入する自賠責保険にも請求ができます。

自賠責規定の「他人」は血縁関係等ではなく「運転手」と「運行供用者」以外を指します。 




自賠責保険請求時の書類



自賠責保険概要


自賠責保険基準は治療費を含む人身部分の損害額が120万円以内(減額無い場合、後遺障害等は別)の場合適用される限定的な支払基準ですが、自賠法という法律に基づいており、損害項目については任意保険会社も準用します。

また、後遺障害の等級認定は自賠責保険が行い、その認定には任意保険会社(東京海上日動やあいおいニッセイ同和、三井住友海上、損保ジャパン日本興亜等の保険会社のことです)も従いますので自賠責保険のしくみを理解することは交通事故損害賠償にとって非常に重要です。






日本の自動車保険は限度額(通常傷害で120万円)までの1階部分が自賠責保険、自賠責の限度額を超えた場合、2階部分の任意保険の基準になるという2階建ての構造になっています。

上図の場合、事故A(傷害部分100万円)は損害賠償が自賠責保険の枠内なので自賠責保険基準での支払いとなりますが、事故B(傷害部分130万円)とC(傷害部分300万円)は自賠責保険の枠を超えているため、損害賠償額は根本から任意保険での支払い基準での提示がされます。

任意保険会社は自賠責保険の基準を下回る金額での示談はできません。 
人身傷害損害の総額が自賠責基準で120万円以内におさまる場合に必ず自賠責基準で示談しなければいけないという意味ではありません。交通事故慰謝料3つの基準 
※  自賠責保険があれば任意保険は必要ないのかというと、そんなことはありません。

重傷事故の場合や、通院がある程度長引く場合など、自賠責保険の120万円を簡単に超えてしまうので、任意保険への加入は必須となります。 
※  「自賠責保険証明書」を車に積んでいないと30万円以下の罰金があります。

自賠責保険の未加入、有効期限切れは1年以下の懲役または50万以下の罰金+違反点数6点があります。 



自賠責保険における被害者と加害者


自賠責保険では制度上、過失の大小ではなく、事故でケガをした方を被害者と呼びます。

自賠責保険の概念では、過失10%の加害者もいれば、過失90%の被害者もいるということです。

双方がケガをした場合は、双方が被害者であり、双方が加害者とも言えます。

自賠責保険は請求先が「相手の」自賠責保険です。交通事故でケガをした場合、自賠責保険の請求先は自分の加入している自賠責保険ではなく、相手の加入している自賠責保険となります。

被害者(ケガをした方)は過失が90%あっても請求が可能なため、このような位置づけになります。

賠償する(請求される)人=加害者、賠償される(支払いを受ける)人=被害者、という概念です。

加害者、被害者を過失の大きさで区別しているわけではありません。



自賠責保険の適用範囲

自賠責保険は「他人」に対する必要最小限の「対人保険」です。

「物」に対する損害(他人の車や自分の車、ガードレール等)や、自分のケガには適用されません。

なお「他人」の範囲ですが、自賠責保険では血縁関係などのことではなく「運転手」と「運運行供用者」以外を指す、とされています。




運行供用者

運行供用者とは、自動車の運行を支配し運行による利益を享受する者、と定義されます。



「運行供用者」にあたらない例(支払い可)

夫の運転する車に乗っていた妻(家族)

例えば、夫が運転する車に乗っていた妻(家族)は「他人」とされ、夫の自賠責保険に請求することが出来ます。

夫が運転していて単独事故を起こした場合、同乗していた妻がケガをしたら、治療費等を夫の自賠責保険に請求できます。相手がいる事故の場合には、妻は夫と相手の2つの自賠責保険に請求できます。


「運行供用者」にあたる例(支払い不可)

自動車の所有者 
自動車を他人に貸した者、名義貸人 
レンタカーの貸主 
自動車の所有者は子供でも、維持費の負担をしている親 
従業員の自動車を、業務用に使用させている雇用主 
従業員が会社の自動車を無断で運転した場合の会社
所有名義を妻に変えていた自動車だが、夫が日常運転していた場合の夫 
子会社が、親会社に専属して業務を行っていた場合の親会社
車の修理、保管等を託された修理業者 



同乗者に対する支払い

自賠責保険は「他人のケガ」に適用されるので、事故の時に同乗していた他人は、運転者の加入する自賠責保険にも請求ができます。

この同乗者に適用される「他人」の範囲も、いわゆる「運行供用者」にあたらない場合は適用されるということになっています。




被害者1人に対する支払い限度額

死亡事故 死亡による損害  3,000万円 
死亡に至るまでの傷害による損害  120万円 
傷害事故  傷害による損害  120万円 
後遺障害による損害  75万〜4,000万円 


相手への支払いがこの限度額を超えた場合、各自が加入する任意保険の出番となりますが、重傷事故の場合や、通院がある程度長引く場合など、自賠責保険の120万円を簡単に超えるので、任意保険への加入は必須となります。




自賠責保険金の減額

自賠責保険は交通事故の被害者(ケガをした方)を、たとえ被害者に過失があっても救うための制度ですが、被害者の過失が一定以上大きい場合、保険金を下図のとおり一部減額して支払います。

また、死因または後遺障害の発生原因が事故による外傷であることの判断が困難な場合、「因果関係判断困難」となり、死亡・後遺障害による損害額を50%と認定することがあります。


被害者の過失割合と自賠責保険金額の減額率は以下のとおりです。

被害者の過失 傷害部分の減額 後遺障害・死亡部分の減額
過失7割未満 減額なし 減額なし
過失7割以上 20%減額 20% 減額
過失8割以上 30% 減額
過失9割以上 50% 減額
過失10割  過失が10割の場合は保険金の支払いはなされません。 


死亡、後遺障害を伴わない損害額20万円以下の場合、減額されません。 
受傷者に過失が10割と判断された場合は、保険金は支払われません。 
過失割合損害保険料率算出機構が独自に判断します。 




「過失10割」にあたる例(支払い不可)

正常に止まっている自動車に対して衝突して死傷した場合 
赤信号を無視して交差点に進入し、青信号で進入してきた自動車と衝突して死傷した場合 
センターラインオーバーして対向車線を走行していた自動車と衝突して死傷した場合




自賠責保険の時効


自賠責保険には請求権の消滅時効があります。

平成22年4月1日以降発生の事故から、請求権の時効は3年に改正されています。

時効を過ぎてしまうと、請求権自体が無くなってしまうので注意が必要です。



時効の起算日について

被害者請求  後遺障害が残らない場合は事故日の翌日からです。 
後遺障害が残った場合は症状固定日からです。 
死亡事故の場合は死亡日の翌日からです。 
加害者請求  被害者に支払った日の翌日からです。 




時効の中断 自賠責保険

次の場合には時効が中断され、それぞれが新たな起算日となります。

保険会社が請求書を受け付けたが、書類に不備があり、返却された時 
自賠責より、「無責」「非該当」など、支払いできないと回答された時 
仮渡し金が支払われた時はその支払日 
異議申立をした場合、自賠責からの回答日 
時効中断申請書を提出する 



注意
最高裁は、自賠責保険に対する異議申立について、加害者に対する損害賠償請求権の時効の中断にはあたらないとしています。





仮渡金

仮渡金の請求は被害者が賠償金の支払いを受ける前に、当座の費用が必要な場合にまとまったお金を請求できる制度です。手続きをすれば1週間位で入金するとされます。


仮渡金のルール

仮渡金が請求できるのは1回のみです。

また、被害の程度に応じて、金額は次のように決められています。

状態  万円
死亡  290
脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有するもの 40
上腕または前腕の骨折で合併症を有するもの
大腿または下腿の骨折
内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの
14日以上入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの
脊柱の骨折  20     
上腕または前腕の骨折 
内臓の破裂
病院に入院することを要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの 
14日以上入院することを要する傷害 
11日以上医師の治療を要する傷害を受けたもの 


仮渡金は迅速に支払われますが、自賠責保険が最終的に支払いを決定した金額より、仮渡金の方が多い場合は、差額分を返還することになります。




政府保障事業

政府の保障事業は、ひき逃げに遭い加害者がわからない場合や、加害者が自賠責保険に未加入で、賠償能力が全く無いといった場合などに政府が被害者に最低限の保障をする制度です。

支払い項目は自賠責保険と同じくケガ、死亡、後遺障害です。支払い限度額等も基本的には自賠責保険と同じですが、仮渡金の制度はありません。

政府は加害者が特定できる場合については、被害者に補償金を支払った後に、支払った金額を加害者に請求します。

また被害者は加害者と交渉が出来る場合は、政府保障で支払われた部分を除いて加害者に請求することもできます。



政府保障事業のルール

・  自賠責保険では被害者に7割以上の過失が無い限り、減額することなく支払いを受けれますが、政府保障事業は過失を5%ごとに判別して過失相殺を行います。 

※平成19年4月1日以降に発生した事故については、自賠責保険と同様になり、被害者に重大な過失がある場合のみ、損害てん補額が減額されます。
・  治療費は健康保険診療の単価しか認められません。自由診療で治療を行っていた場合でも、健保診療単価に換算して支払いされます。
・  他法令調整が行われます。健康保険等の社会保険や労災保険など自賠法以外の法律に基づき、給付可能な金額相当分は調整対象となり、すでに被害者に支払ったものとみなされ、支払い金から除外されます。 
・  自賠責保険は請求から1ヵ月位で支払われますが、政府保障事業は支払いまで1年以上かかる場合もあるとされています(平均処理期間は、ひき逃げ事故が約4ヵ月、無保険事故が約7ヵ月前後とされる)。 
支払いの内訳については教えてくれません。
・  被害者へのてん補額については、政府が加害者に求償するため、同一生計に属する親族間事故については、原則として支払い対象外です(加害者が死亡し、被害者が法定相続人であり、かつ被害者である請求者が相続を放棄している場合、例外として対象とされる)。 
・  時効は2年(※)です。傷害事故の場合、事故の翌日から2年、死亡事故の場合は、死亡の翌日から2年、後遺障害の場合は症状固定日の翌日からです。時効中断の申請は認められません。

※「平成22年4月1日以降発生の事故」については、請求権の時効は「2年から3年」に改正されています。 
仮渡金の制度はありません。 
異議申立ができません。 
加害者からの請求(加害者請求)はできません。 



請求は、全国の損害保険会社、農協等の窓口で受け付けています。



自賠責保険に請求できる金額一覧


自賠責保険 診療費

応急手当費
診察料
初診料
再診料
往診料 
必要かつ妥当な実費 
温泉療養費  医師の指導下が条件 
入院料  原則、その地域における普通病室の入院に必要かつ妥当な実費 
投薬料

手術料

処置料 
売薬は、医師の指示がなされているものに限ります 。 
院外薬局が処方を行った薬剤費用は、調剤報酬明細書で認定します。 
治ゆ後の検査は、医師の指示があれば認定されるが、症状固定後は認定されません。 
整形手術費用は、後遺障害等級認定を申請していない場合、支払い可。後遺障害が認定された場合は支払い不可、とされています。※非該当の場合はその後の手術費用は支払可。 
将来の手術見込み費用は、12歳以下の子供で手術がすぐ出来ない理由が明確で、治療先の見積もり額が妥当な場合は、所長決裁とされています。 
柔道整復等  必要かつ妥当な実費(免許を有する柔道整復師、あんま、マッサージ、指圧師、鍼師、きゅう師)※医師の治療を受けない場合、止むを得ない理由必要。 
無資格者の施術、カイロプラクティック、気功等の支払い  認められません。 




自賠責保険 治療関係費


自賠責保険 看護料、付き添い費

看護料
付添費
12歳以下の子供に近親者が付き添った場合は認定されます。

入院1日4,100円、通院、自宅看護1日2,050円。

これ以上の休業損害が発生する場合、日額1万9,000円を限度として実額を認定(有給休暇も可)。 

自宅に残された12歳以下の子供の子守費用は

a.
12歳以下の子供が受傷し、母親が付き添い、他の12才以下の子供の子守として家政婦を雇った場合は地区の家政婦料金を認定。

b.
12歳以下の子供が受傷し、母親が付添い、子守を近親者に依頼した場合は、近親者に休業損害が発生した場合に限り、家政婦料金の範囲内で実額を認定されます。

それ以外の場合は定額(4100円)が認められます。

13歳以上の場合は、医師の「要看護証明」が必要です。

看護人の寝具料・交通費  必要かつ妥当な実費 





自賠責保険 通院費、転院費、入院費、退院費、諸雑費


通院交通費  通院、転院、入院、または退院に要する交通費。

タクシーの利用は、骨折後のギプス固定期間等で、公共機関での移動が困難な場合に限り認定されます(原則、領収書が必要です)。

自家用車利用の場合は、通院距離1kmにつき15円を認定します。

この場合、駐車料金も可です。

徒歩、自転車の場合は認められません。

近隣の人等に送ってもらった場合の謝礼は、タクシー代を目安にするとされます。
諸雑費  療養に必要な諸物品の購入や使用料、医師の指示により摂取した栄養物、通信費は入院の場合、資料の提出がなくても1日に1,100円の定額が認定されます。

これを超える場合は、必要かつ妥当な実費を認定されます。

通院、自宅療養については立証資料に基づく実額を必要かつ妥当な範囲で認定します。 





自賠責保険 眼鏡、補聴器、義肢等

医師が認めた眼鏡、コンタクト、補聴器、松葉杖、義眼 等の費用は必要かつ妥当な実費とされますが、眼鏡、コンタクトは消費税抜きで、5万円が上限とされます。




自賠責保険 診断書、施術証明書
診断書  警察提出用、自賠責提出用(本請求分可)が認定。

死亡診断書、死体検案書も含む。

後遺障害診断書は時効や非該当の場合は、自賠責では診断書料として認められません。 
施術証明書  認められます。 





自賠責保険 その他


自賠責保険 休業損害、慰謝料、文書料


休業損害  1日5,700円〜1万9,000円
※5,700円以下は5700円まで引き上げます。

非常勤の場合、月20日以上、1日6時間以上勤務の場合、定額引き上げを適用します。

家事従業者は1日5,700円、パートもしている場合はどちらか高い方。学生アルバイトも可。 
慰謝料  4,200円×(実治療日数×2と治療期間を比べて少ない日数) 
文書料  住民票、印鑑証明、交通事故証明書など実費 





自賠責保険 後遺障害関連


自賠責保険 後遺障害慰謝料 逸失利益


慰謝料 後遺障害自賠責保険金額と労働能力喪失率 
逸失利益





自賠責保険 死亡事故


自賠責保険 葬祭費 逸失利益 慰謝料
葬祭費  60万〜100万円 
死亡による逸失利益  (収入額ー本人生活費)×ライプニッツ係数 
死亡本人の慰謝料  350万円 
遺族の慰謝料  1名550万円、2名650万円、3名以上750万円

(被扶養者がいるときは200万円を加算します) 
傷害による死亡前の損害  傷害部分の支払と同じ基準です。 






交通事故から後遺症認定、示談解決まで(ポイントチェック)











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