本文へスキップ

交通事故後遺症等級認定

失業者の後遺症逸失利益 基礎収入


自賠責保険から後遺障害の等級が認定された場合、認定された等級に応じて労働能力の減少による将来の収入の減少分を「逸失利益」として請求することができます。

失業者・無職者の休業損害と同じく、裁判所基準(弁護士会基準)の他に自賠責保険基準と任意保険基準がありますが、自賠責保険の逸失利益は通常後遺障害保険金内に含まれており、任意保険会社の逸失利益は「労働能力喪失期間」を短く抑えて、ライプニッツ係数をできるだけ小さくしようとするだけですので裁判所基準(弁護士会基準)のみを掲載しています。



裁判所基準


労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められるとしています(蓋然性とは、事柄が起こる確実性のこと。この場合就労に就く確実性)。

その場合、再就職によって得られるであろう収入を基礎とすべきで、特段の事情のない限り失業前の収入を参考にするとされています。

ただし、失業前の収入が平均賃金以下の場合は、平均賃金が得られる蓋然性があれば、男女別の賃金センサスが使われることになります。



<判例>

商売を始めることを考えていた場合

各種の統計を使用する場合があります。

生活保護受給者(女・固定時50歳)について、事故当時兄弟と相談し、商売を始めることを考えており、就労意志と能力を有していたとして、事故時の満18歳女性の平均給与額を基礎としました(神戸地判平6.11.24)。




判例

事故間近の就労実態を認めがたい場合

休業損害は否定されますが、逸失利益を認める場合があります。

フリーター(男・固定時29歳)の左大腿骨転子下骨折に伴う左下肢の鈍痛(14級10号)について、事故間近の就労実態を認めがたいことから休業損害は否定したが、症状固定後、就労の意思があると認められることなどから、賃セ男性学歴計25歳から29歳平均の8割323万7,600円を基礎として逸失利益を認めました(東京地判平17.1.25)。




判例

高齢でも就職予定などあった場合

各種の統計を使用する場合があります。

無職者(男・固定時69歳)の右頚部痛、肩の痛み、右前腕尺側のしびれ(12級)について技術を有し具体的な就職予定もあったなど、就労の蓋然性は通常の同年齢の者より高いとして男性労働者68歳の平均385万円余を基礎としました(大阪地判平16.8.25)。




判例

再就職内定中の場合

内定先からの支給予定だった額を基礎にします。

勤務先の倒産による離職後、再就職内定中の被害者(男・固定時推定30歳)の頚椎捻挫による14級について著名な私大経済学部を卒業し、就職後留学してMBAの資格を取得していること、倒産前の勤務先では大卒平均の1.8倍の給与を得ていたことからすれば、事故当時の就職内定先から年棒1,500万円の内約があったこともありうるとして、1,500万円を基礎に5年間5%を認めました(大阪地判平17.10.12)。





失業者の休業損害



交通事故慰謝料(交通事故の3つの基準)



交通事故から後遺症認定、示談解決まで(ポイントチェック)












ナビゲーション